【梅毒バラ疹とはどのようなものなのですか?】
梅毒トレポネーマに感染し、治療をしないで3ケ月以上を経過すると、梅毒トレポネーマが血液によって全身に運ばれ、 手のひら、足の裏、体全体にうっすらと赤い発疹が出ることがあります。
バラ疹は斑丘疹状紅斑を呈して3~10mm程度の小さな紅斑を呈します。
色調としてはピンク・赤色・褐色など種々の色合いをしますが、しばしば落屑・膿疱・潰瘍などを起こすこともあります。
※落屑(らくせつ)とは、皮膚の表層が大小の角質片となってはげ落ちること※
しかし水疱となることは極めて稀です。
梅毒患者の50~80%に手握や足の裏にも発現します。
この発疹は小さなバラの花に似ていることから"バラ疹(ばらしん)"と呼ばれています。
【バラ疹はどれ位出ているのか】
バラ疹はたいてい数日から数週間で消えることからして、皮膚の変化以外には特に自覚症状がないため、 気づかない場合もあります。
バラ疹は治療をしなくても数週間以内に消え、再び再発を繰り返すこともあります。
【バラ疹が消えると梅毒は治ったということです?】
抗菌薬で治療しない限り、病原菌である梅毒トレポネーマは体内にいることから梅毒が治ったわけではありません。
梅毒トレポネーマは、依然として体内にいて体を蝕み続けてています。
【バラ疹の出現頻度】
バラ疹は、第2期梅毒患者の70%に認められ、梅毒患者全体の90%以上に認められる頻度の高い症状です。
【バラ疹に触れると梅毒トレポネーマに感染してしまうのですか?】
浸出液や膿などが出ていないバラに疹触れても梅毒トレポネーマに感染することはありません。
【バラ疹らしきものが体に出たときの対応】
梅毒トレポネーマに感染する危険性のある行為をしてしまったときには、迷わず梅毒の専門家である皮膚科医を受診 する必要があります。
梅毒バラ疹は、アレルギー、風しん、麻しん等に間違えられることもありますので、専門家である皮膚科医を受診する必要があります。