梅毒は、主に性器に感染して性器に症状が現れますが、眼に症状が現れることがあります、これを梅毒性ぶどう膜炎と言います。
【梅毒性ぶどう膜炎とは】
梅毒トレポネーマの感染によりぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜)に炎症を起こす疾患で、充血、眼痛、比較的急激に視力障害を引き起こします。
【梅毒性ぶどう膜炎は梅毒トレポネーマに感染していつ頃起こるのか】
一般的にはいきなり眼に梅毒トレポネーマが感染することはありませんが、初期症状が消えてから1~3カ月後あたりの第2期以降 に結膜炎・角膜炎・虹彩毛様体炎・網膜炎・視神経炎を発症することがあります。
【梅毒性ぶどう膜炎の現状】
最近梅毒性の虹彩毛様体炎や視神経炎などは増えていると言われて、視力低下で眼科を受診して梅毒感染が判明する事例が増えています。
【梅毒性ぶどう膜炎の現状】
梅毒性ぶどう膜炎は第2期梅毒のおよそ5%にみられます。
【梅毒性ぶどう膜炎の症状】
症状としては後極部に限局した病変が見られ、硝子体混濁を伴いやすく、視神経乳頭炎など網膜血管炎を合併するなどの特徴 があるとされていますが、その症状は多彩で眼所見からだけの診断は困難で梅毒血清反応検査を行うことが必要となります。
虹彩毛様体炎とは、虹彩にある血管が反応して虹彩とその隣にある毛様体に炎症を起こす病気です。
一般的には両目に発症します。
視神経は、網膜で集められた光を脳に伝える神経線維の集まりです、そこに炎症が表れるのが視神経炎です。
視神経炎が怖いのは、放置するとやがて視神経萎縮が起きて失明に至るからです。
【梅毒の怖さ】
梅毒は性器だけでなく眼にも影響を与える危険な感染症です。
梅毒トレポネーマは、コンドームでは完全に予防できません、またキスやオーラルセックスでも簡単に感染してしまいます。
少しでも危険な行為をした場合は、必ず適切な時期に梅毒検査を受けることを強くお勧めします。
早期に発見し早期に治療を開始すれば、比較的短期間の抗菌剤の服用で完治しますが、感染後時間が経過すればするほど当然の ことながら抗菌剤の服用期間は長くなります。
梅毒トレポネーマに感染して性器粘膜が爛れて感染防護バリアが破壊されると、HIVの感染率が数百倍高くなるという怖い面が潜んでいることも認識しておく必要もあります。
0 件のコメント:
コメントを投稿