【梅毒トレポネーマに感染しTP抗体が一度陽性となると治療を行い完治してもTP抗体は陽性のままとなるのでしょうか?】
このことについて解説していきますのでお付き合い下さい。
梅毒トレポネーマに感染するとおよそ4週間でカルジオリピンに対する抗体が陽性となり、6週間以降にはTP抗体が陽性となります。
梅毒トレポネーマに感染してTP抗体が体内に出来る前に治療を開始しないと、一旦TP抗体が体内に出来てしまうと、治療によって体内の梅毒トレポネーマが無くなってもTP抗体が消えることなく残るのでいつまでもTP検査が陽性になり続けます。
カルジオリピンに対する抗体(STS抗体)は、治療によって完治すれば消失します。
【梅毒治療の鑑別検査にはTP検査は使用できない理由】
治療によって体内の梅毒トレポネーマが駆逐されても、一度体内に出来たTP抗体は陽性のままとなるので梅毒治療の判定にはTP検査は使用できません。
【それでは治療の判定にはどのような検査を使用するのか?】
治療の判定にはSTS検査を行います。
【治療完了後のTP検査陽性はどう解釈するのか】
完治後のTP抗体陽性は感染の名残みたいなもので、人には感染させませんし、自身の臓器にも悪影響を与えることはありません。
昔梅毒に感染したという名残にほかなりません!!
【TP抗体陽性を防止するには】
TP抗体を残さないためには、TP抗体ができる前か、TP抗体が出来て抗体価が低いうちに早期に治療を開始することです。
【TP検査を治療の判定に使用する医師もいる】
TP検査の意義がわからずTP検査が陰性になるまで治療を続ける誤った治療を実施する医師がいることは、残念なことです。
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