無症候性梅毒とは、梅毒特有の症状を認めないが梅毒血清反応が陽性のものを言います。
当然生物学的偽陽性反応(BFP)を除外するためにTP検査(TPHAやFTA-abs)も行って梅毒トレポネーマ感染の確定が必要となります。
【無症候性梅毒の時期とは】
無症候性梅毒は、臨床的には以下の3つの時期がそれにあたります。
1.初感染後、全く症状が出ない時期
2.第1期から2期への移行期
3.第2期の発疹消失後
この時期、はっきりいって感染者に自覚が全くありませんので、知らないうちに第三者に感染させてしまうということが起きます。
初感染後全く症状を呈さない場合や、第1期から2期への移行期、第2期の発疹消退期や陳旧性梅毒(既に治癒しているが血清反応のみ陽性)などは臨床症状が見られません。
米国CDCでは、感染2年以内の無症状期を早期潜伏期、2年以降のものを晩期潜伏期と分類しています。
【晩期潜伏期梅毒には治療が必要としないものもある】
晩期潜伏期の中には、治療を要しないものも数多くあるので注意が必要となります。
検査を行うことで鑑別は可能です。
【日本での無症候梅毒の現状】
2021年1年間に分析できた梅毒患者7978人(男性5261人・女性2717人)中、2035人(25.5%)が無症候梅毒で、男女の内訳は男性5261人中1029人19.6%、女性2717人中1006人37%と圧倒的に女性に多い傾向が見られました。
【無症候梅毒はなぜ怖いのか】
梅毒トレポネーマに感染しても梅毒特有の症状が現れないことから、自分が梅毒である事が分からず第三者に感染させてしまうことです。
また梅毒トレポネーマに感染して性器粘膜が爛れることにより防護バリアが破壊され、HIVに感染するリスクが極めて高くなることです。
【無症候梅毒を防ぐには】
無症候梅毒は梅毒トレポネーマに感染しても症状が出ないことからして、適切な時期に梅毒検査を受けるしか解決策はありません。
従って梅毒トレポネーマに感染してもなんの症状も現れない場合があることから、感染する可能性のある行為をしてしまった時には必ず適切な時期に梅毒検査を受けることです。
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